私が教室に戻るとクラスメイト全員が私を心配してくれていたみたいで私が教室に入った瞬間にワッと皆が私の周りを囲んだ。
真っ先に聞いてきたのは幼なじみのあおちゃんだった。
あおちゃんは今にも泣き出してしまいそうな、顔を真っ青にしながら「大丈夫か?赤くなってるじゃないか!もう早退した方がいい!」と早口で言っていた。
早退って…大袈裟だなと思いながらも心配してくれたその気持ちが嬉しかったので私は「大丈夫だよ」と笑って返した。
なんとか皆を落ち着かせることができたのでよかった。
私は席に着く前に空いている席が目に入った。
一つは顔を見た事のない海野千彩くん。
そしてもう一つは……転校生の男の子だと思う。
名前まだわからないな…。
あの後、どうなったのか私にはわからない。
先生たちが止めに入った後に私はすぐに保健室に行ったから。
転校初日にこんなんなんて…あの男の子も望んでいなかったかもしれない。
もっと何か…考えてたかもしれない。