入学してから早くも二週間が経ちました。
クラスメイトとは友達になれた。
…一人を除いて。
「今日も海野は休みか」
そう、私のクラスには入学式の日からずっと休んでいる子がいるのです。
海野千彩くん…。
ずっと私の後ろの席が空いているのが寂しい……。
仲良くなりたいのにな…。

キーンコーンカーン。
チャイムが鳴り、皆は一斉に教室から出ていく。
もう放課後か。
なんかあっという間に終わるな。
明日は土曜日だからな…。
あ!バイト探そうかな!
高校も慣れて、落ち着いてきたし!
カフェもいいし、アイス屋さんもいいな〜!
どれにしようか悩むな〜!!
私は一人で楽しく悩みながら昇降口へと向かう。
「千結さん、また月曜日に!」
「うん、またね!」
昇降口に行く途中ですれ違う人に声をかけられる。
それを私は笑って返す。
だいたいがクラスメイト。
まだまだ友達をたくさん作るんだから!
私はふんっと手に力を込めた。