隣に座る九条にほんの少しだけもたれかかれながら私は夜空を彩る花火をじっと見上げた。

もちろん私達の手は固く繋がれている。

不思議なもので告白されたあとの花火はさっきよりも更にキラキラと輝いて見える。

湿気を含んだ生暖かい風が吹いたって今の私はご機嫌でいられる。

そのとき、ひと際大きな花火が空高く弾けた。

これがきっと最後の花火だ。ギュっと手のひらに力を込めると九条が握り返す。

「来年も絶対一緒に来ようね」

「おお」

心から願った。ずっとずっとこうして九条と一緒にいられますようにって。