本来の自分は、何をしても上手くいかなくてバッドエンドを迎えた。
だから、今度は別人として生活したけど、何者かに恨みを買って家を滅茶苦茶にされて、仕事を妨害された。
だから、今度はまた、元の姿に戻って。太陽様と結婚して平和な生活をするという。
…何度考えても、意味がわからなくて納得しようと思っても、やっぱり何かおかしくないか? という疑問が出てくる。
「太陽たち兄妹3名がまもなく部屋に来ますので、彼らが部屋に入ったらエアー…失礼。セシル様はドアの前で待っていてください。自分とジャックが説明するんで。こっちで合図しますので、合図したら部屋に入ってきてください」
饒舌に話す緑目の男を見ていたら、うんざりとしてくる。
着替えた部屋のドアの隙間をちょっとだけ開けて、シナモンと2人で廊下を見張っていると。太陽様とそのお兄様であるナイト様、そしてイチゴが緊張した顔でやって来た。
イチゴまで呼ぶ必要があったのだろうかと思ったけど。家族全員を呼んだのか…
本来であれば、ご両親を呼ぶのだろうけど、彼らには親がいない。
なんだか、そう考えると切なく見える。
「さっ、ドアの前に立ちましょう」
シナモンが小声で言うので、音をたてないようにそーと、彼らがいる部屋の前に立つ。
ドアは話が聴けるように半開きになっている。
「急にお呼びだしして申し訳ありません。私は、国家騎士団外務担当のグリーンと言います」
「自分は、国家騎士団頭脳班所属のジャックです」
(いや、思いっきり所属チーム言っちゃってるじゃん!)
私には機密事項だとか、テキトーなこと言っておいて。
太陽様たちには、ちゃんと素性を打ち明けている緑目の男に腹が立つ。
「ジャックくん…、久しぶりだねえ」
若干、震える声でナイト様が言った。
あの2人を前にすると、領主であるナイト様が小さく見える。
「どうも」
ナイト様の言葉に、無表情なジャックさん。
どこか怒っているのは気のせいだろうか?
「あの、俺が騎士団に呼ばれるのはわかるんですけど、なんで兄や妹まで城に呼ばれなきゃいけないんですか?」
緊張した表情で、太陽様が言う。
緑目の男って、そんなに身分が高かったのだろうか?
「うーん。用があるから呼んだに決まってるでしょう。ちょっとは考えようか」
緑目の男のキツい一言に太陽様は青ざめて「すいません」と謝る。
やっぱり、緑目の男はテイリーと同じ匂いがする。
「昨日、お宅の領地に住んでいるアリア・ミューゼスというピアノ講師の家に強盗が入って、そこに住んでいる侍女が一人行方不明になったのはご存知かな?」
緑目の男は意地悪そうにナイト様を見た。
ナイト様は硬直している。
「先生の家に強盗!? 先生は無事なんですか!」
太陽様は立ち上がって、大声を出す。
緑目の男とジャックさんは冷ややかな目で太陽様を一瞥した後、
「座りなさい、太陽」
低い声で緑目の男が叱った。
緊張感の漂う嫌な空気が部屋を漂っている。
何かされているわけじゃないのに、逃げ出したくなるような緊張感がある。
「アリアっていう人はどこの人間かご存知で? ミスターナイト。ここに呼び出した理由を踏まえて、賢い君ならわかるでしょう」
「…あの方は王族だというのですか」
ナイト様の一言にイチゴと太陽様が「えっ」と声をあげた。
「王族と言っても、この国の王族じゃない。隣国のティルレット王国の王族…姫君なんだよね」
いつから、私。王族になってるんだろう。
ぽかんとしている間にも話は続く。
「彼女は人質としてこの国の貴族のもとに嫁いできた。残念ながら、夫となる男が病死して、それからは君の平和なはずの領地で静かに暮らしていくはずだったんだけどね。おかしいね、彼女の家にだけ強盗が入るって」
青ざめて、手が震えているナイト様をじっと緑目の男が眺めている。
物凄い威圧感。
「そんな身分の高い人なら、お城に住まわせればいいじゃない!」
急に、張りつめた空気を破ったのは、イチゴだった。
「私、帰る!」
イチゴはドアのほうに歩いてくるので、「おおっと」と後ろに下がると。
「戻りなさい。ベラ・マーガレット・カッチャー」
緑目の男が、イチゴの本名だろう…を言うと。
つかつかと歩いてイチゴの肩を掴んだ。
「今、帰ったら君の首をはねるし、君のお兄さんたちの首もはねるよ」
緑目の男は、12歳の女の子に容赦はしない。
ぞっとしていると、
イチゴは黙って元の席に座った。
緑目の男は足を組んで、にやりと笑う。
どこか楽しそうに見えるのは気のせいであってほしい。
「確かに身分が高いのならば、宮殿に住まわすことだって出来る。でもね、王族っていうのは色々と事情がつきものなんだよ。身分をごまかして生きなきゃいけない人間なんて沢山いる」
緑目の男は隣に座っているジャックさんを見た。
「イチゴちゃん、君がエアー先生の家を襲った主犯だね?」
だから、今度は別人として生活したけど、何者かに恨みを買って家を滅茶苦茶にされて、仕事を妨害された。
だから、今度はまた、元の姿に戻って。太陽様と結婚して平和な生活をするという。
…何度考えても、意味がわからなくて納得しようと思っても、やっぱり何かおかしくないか? という疑問が出てくる。
「太陽たち兄妹3名がまもなく部屋に来ますので、彼らが部屋に入ったらエアー…失礼。セシル様はドアの前で待っていてください。自分とジャックが説明するんで。こっちで合図しますので、合図したら部屋に入ってきてください」
饒舌に話す緑目の男を見ていたら、うんざりとしてくる。
着替えた部屋のドアの隙間をちょっとだけ開けて、シナモンと2人で廊下を見張っていると。太陽様とそのお兄様であるナイト様、そしてイチゴが緊張した顔でやって来た。
イチゴまで呼ぶ必要があったのだろうかと思ったけど。家族全員を呼んだのか…
本来であれば、ご両親を呼ぶのだろうけど、彼らには親がいない。
なんだか、そう考えると切なく見える。
「さっ、ドアの前に立ちましょう」
シナモンが小声で言うので、音をたてないようにそーと、彼らがいる部屋の前に立つ。
ドアは話が聴けるように半開きになっている。
「急にお呼びだしして申し訳ありません。私は、国家騎士団外務担当のグリーンと言います」
「自分は、国家騎士団頭脳班所属のジャックです」
(いや、思いっきり所属チーム言っちゃってるじゃん!)
私には機密事項だとか、テキトーなこと言っておいて。
太陽様たちには、ちゃんと素性を打ち明けている緑目の男に腹が立つ。
「ジャックくん…、久しぶりだねえ」
若干、震える声でナイト様が言った。
あの2人を前にすると、領主であるナイト様が小さく見える。
「どうも」
ナイト様の言葉に、無表情なジャックさん。
どこか怒っているのは気のせいだろうか?
「あの、俺が騎士団に呼ばれるのはわかるんですけど、なんで兄や妹まで城に呼ばれなきゃいけないんですか?」
緊張した表情で、太陽様が言う。
緑目の男って、そんなに身分が高かったのだろうか?
「うーん。用があるから呼んだに決まってるでしょう。ちょっとは考えようか」
緑目の男のキツい一言に太陽様は青ざめて「すいません」と謝る。
やっぱり、緑目の男はテイリーと同じ匂いがする。
「昨日、お宅の領地に住んでいるアリア・ミューゼスというピアノ講師の家に強盗が入って、そこに住んでいる侍女が一人行方不明になったのはご存知かな?」
緑目の男は意地悪そうにナイト様を見た。
ナイト様は硬直している。
「先生の家に強盗!? 先生は無事なんですか!」
太陽様は立ち上がって、大声を出す。
緑目の男とジャックさんは冷ややかな目で太陽様を一瞥した後、
「座りなさい、太陽」
低い声で緑目の男が叱った。
緊張感の漂う嫌な空気が部屋を漂っている。
何かされているわけじゃないのに、逃げ出したくなるような緊張感がある。
「アリアっていう人はどこの人間かご存知で? ミスターナイト。ここに呼び出した理由を踏まえて、賢い君ならわかるでしょう」
「…あの方は王族だというのですか」
ナイト様の一言にイチゴと太陽様が「えっ」と声をあげた。
「王族と言っても、この国の王族じゃない。隣国のティルレット王国の王族…姫君なんだよね」
いつから、私。王族になってるんだろう。
ぽかんとしている間にも話は続く。
「彼女は人質としてこの国の貴族のもとに嫁いできた。残念ながら、夫となる男が病死して、それからは君の平和なはずの領地で静かに暮らしていくはずだったんだけどね。おかしいね、彼女の家にだけ強盗が入るって」
青ざめて、手が震えているナイト様をじっと緑目の男が眺めている。
物凄い威圧感。
「そんな身分の高い人なら、お城に住まわせればいいじゃない!」
急に、張りつめた空気を破ったのは、イチゴだった。
「私、帰る!」
イチゴはドアのほうに歩いてくるので、「おおっと」と後ろに下がると。
「戻りなさい。ベラ・マーガレット・カッチャー」
緑目の男が、イチゴの本名だろう…を言うと。
つかつかと歩いてイチゴの肩を掴んだ。
「今、帰ったら君の首をはねるし、君のお兄さんたちの首もはねるよ」
緑目の男は、12歳の女の子に容赦はしない。
ぞっとしていると、
イチゴは黙って元の席に座った。
緑目の男は足を組んで、にやりと笑う。
どこか楽しそうに見えるのは気のせいであってほしい。
「確かに身分が高いのならば、宮殿に住まわすことだって出来る。でもね、王族っていうのは色々と事情がつきものなんだよ。身分をごまかして生きなきゃいけない人間なんて沢山いる」
緑目の男は隣に座っているジャックさんを見た。
「イチゴちゃん、君がエアー先生の家を襲った主犯だね?」


