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「梛央、優絆くんのこと追いかけて同じ高校受験したじゃん? なにか進展あった?」
え───⋯⋯?
お会計を済ませスーパーを出ると、聞き覚えのある声が聞こえてきて、心臓がイヤな音を立てた。
声が聞こえた方へ視線を向けると、見覚えのある女の子2人が並んで座っていた。
興奮気味に䈎元さんに話しかけるのは、笘篠凛珈さん。
わたしと同じ中学校出身で、䈎元さんの大親友。
䈎元さんが優絆に想いを寄せるようになってから、2人を恋仲にさせようとあの手この手を使っていた人物でもある。
「う〜ん、これと言った進展はないかな」
「もしかして、宮里秋妃がいるから?」
え⋯⋯どうしてわたし?
まさかここで自分の名前が出てくるとは思わず、驚いてしまった。