どうしたのかしら?
優絆のソワついた様子に小首を傾げながら、ふと思った疑問をぶつけた。
「今日はネコミミパーカー着ていないのね」
「ああ、アレは学校用。普段は着ねえよ」
恥ずかしくて着れるか、と、小声で悪態を吐かれた。
「⋯⋯⋯そう」
学校でネコミミパーカーを着ることの方が、恥ずかしいと思うのだけれど⋯。
相変わらず理解できないわ。
「秋妃」
「ん?」
「腹減った」
この話は終わりだと言わんばかりに、話題を戻された。
あ、そうだったわね。
優絆の意味不明な言動に、すっかり忘れていたわ。
「買い物行かないとなにも作れないわよ」
「んじゃ、買い物行くか」
⋯⋯って、いっしょに?
行くぞ、と踵を返して歩きはじめようとする優絆。
本当はいっしょに行きたい。
行ってお買い物していっしょに帰ってきたい、けれど⋯、
それはリスクあるし、わたしの学校生活に危険が及ぶ気も⋯。
