どんなときも、いつだって〝大丈夫〟。


そう自分に言い聞かせてきた。


大丈夫じゃなくても大丈夫。





そう自分に言い聞かせることで、足下から崩れそうな自分を保っていた。



だけど、どんなに大丈夫って取り繕っていても、限界は近づいてくるもの。


どうしてママはわたしと過ごす時間を作らず、仕事に没頭し続けるのかと、苛立ちさえ覚えたほど。




ママはわたしのことが嫌いで仕事に逃げている。




わたしのために一生懸命働いてくれているママに感謝するどころか、そう思うことのほうが多かった。






だけど、全てはわたしの勘違いで。



仕事に追われ、自分の休息時間すら確保できていなかったせいで、わたしが中学1年生のときに一度ママが疲労で倒れたことがあった。




そのとき初めて気づいたの。



わたしは自分のことを考えるばかりで、ママのことなんてなにひとつ考えていなかったんだって。






家のこともなにひとつ手伝わず、自暴自棄になって殻に閉じこもり、ママにもイヤな態度をとるばかり。