⋯胸のモヤモヤは消えないけれど。
彼と付き合っていない以上、嫉妬や不安が募る。
「⋯なんだよ」
「え⋯?」
気づけばスマホから顔を上げ、わたしを見つめていた。
綺麗な澄んだ瞳に、わたしだけが映っている。
「なんか言いたそうな顔してんじゃん」
⋯っ、心読まれた?!
「い、いいえ。なんでもないわ」
心中を悟られないよう、声が上擦るも必死に平静を装う。
䈎元さんに嫉妬しているの、なんて、口が裂けても言えないわ。
⋯正直に言える関係性だったら、どんなによかったのだろう。
「⋯⋯⋯」
そんなわたしを疑いの眼差しでわたしをジトーっと見てくるものだから、冷や汗がでてくる。
「なによ、そんなに見つめちゃって」
「⋯ケンカ売ってんのか」
地を這うような低い声に、わたしは怯んでしまった。
「ゆ、うき⋯?」
豹変した彼の態度に驚いて、反射的に彼の顔を見た。
