元カレの溺愛が止まらない




「⋯ん⋯⋯あき⋯?」



見つめすぎてしまったのかしら。


ぱちっと目を開けた優絆は掠れた声でわたしの名を紡いだ。




制服のシャツが二つ開いているせいか、寝ぼけ眼なその姿が妙に色っぽい。


綺麗な鎖骨が露出しており、わたしは無意識に手を伸ばしていた。




そっと触れた瞬間、


「⋯⋯ん⋯」


小さな唇から、微かな吐息がもれた。




⋯⋯色っぽ。



ボーッと空を見ていた優絆の瞳が、わたしをとらえてゆっくりと瞬きをくり返す。


男なのにそんなに色気出されちゃ拍子抜けしちゃうじゃない。




「⋯バカ、くすぐってえよ」




ゆったりとした口調で、まだ呂律がまわっていない。