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「秋妃、一緒に食べよ!」
午前中の授業が終わったお昼休み。
ランチバックを持った夏葉が、わたしの席までやってきた。
「ええ。お腹空いたわね」
午前の授業で頭を使ってスタミナを消費する分、お昼休みには腹ペコ状態になる。
わたしも机の横にかけておいたランチバックを机に置いた。
あ、ランチで思い出した。
夕ご飯のリクエスト、ママに聞かなきゃ。
【夜ご飯食べたいものある?】
ポケットからスマホを取り出して、ママにメッセージを送った。
「おばさん、今日も帰り遅いの?」
スマホを机に置いて、ランチバックからお弁当箱を取り出すわたしに、夏葉が喋りかけてきた。
「ええ。それに夕飯はわたしが担当なのよ」
そう言っていまだ心配そうな表情を浮かべている夏葉を安心させようと、ふわっと微笑む。
わたしの家庭はちょっと複雑なの。
幼い頃に両親が離婚し、わたしはママに引き取られた。
