話していないのに。 「さっきの会話丸聞こえ」 「⋯⋯盗み聞きなんて悪趣味ね」 「声デカいからイヤでも聞こえんだよ」 「⋯⋯地獄耳」 本当、優絆はそのネコミミ並みの聴力なんじゃないかしら。 「なんとでも言え。⋯⋯ホラ、さっさと行くぞ」 貸せ、とわたしのカバンを持つと、そのまま歩き出した。 夏葉と岩波くんはすでに歩き出していたみたいで、少し先を肩を並べて歩いていた。 。 . ✽