「最上くんは、ココね!」
「ちょ、おい⋯!」
優絆の腕を引っ張って、自分の席の隣に座らせようとしている䈎元さん。
「⋯⋯っ」
䈎元さんの行動に、わたしは思わず息を呑んだ。
そんなに近づかないで。
触らないで。
そう言いたい気持ちをぐっと抑えた。
気づけば手に持つ鞄の持ち手を、ギュッと握りしめていた。
「秋妃⋯大丈夫?」
「え⋯?ええ、大丈夫よ」
表情が怖かったのか、心配そうな表情を浮かべる夏葉に、慌てて笑顔を向けた。
いけないいけない。
「⋯⋯俺はいい。和紗、お前が座れ」
「なんでだよ? 優絆が教えるんだから、お前座ったほうがいいだろ」
「⋯⋯⋯」
ゴオォォと効果音がつきそうなほどの暗黒のオーラを放ち、無言の圧力が半端ない。
「ゔ。わかったよ座るよ」
ったく、しゃーねえな!と、岩波くんが折れたおかげで、優絆が放つ暗黒のオーラが引っ込んだ。
