その後も攻防戦はしばらく続き、

結局䈎元さんに根負けした優絆は、


「⋯分かった」

と、引き受けていた。



「ホントに？！　最上くんありがとう！！」


優絆が肯定すると、パアッと効果音がつきそうなほどの笑顔になったうえ、語尾には音符がつきそうなほどに弾んでいた。



⋯お人好し。


教えたくなさそうにしながらも、䈎元さんの要求を引き受けた優絆に、モヤモヤがつのる。




断ればいいのに⋯いいえ、断ってほしかった。


それがわたしの本音だった。



そんなの都合がよすぎる、なんてことは自覚している。




でも、それでも⋯⋯優絆が他の子と仲良くしているところなんて、見たくないわ。


⋯ぜったい見たくない。




〝分かった〟




そう言葉を発する直前、優絆の視線が一瞬、わたしに向けられた気がしたのは、


わたしの気のせい───⋯？





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