ほんとうのことは口が裂けても言えないから、適当に誤魔化した。
「それで⋯どう？」
「ん〜」と一瞬悩むしぐさをみせたものの、夏葉のくだした決断は、
「暇だしいいよ。話し相手ほしかったんだ〜」
オッケーだった。
「分かったわ。それじゃあ、岩波くんにそう伝えておくわね」
「うん。よろしく〜」
わたしはその場でスマホを取り出して、岩波和紗をタップしトーク画面を開いた。
【夏葉がおしえていいよって言ってたから連絡先送るわね。 夏葉に連絡してあげて】
夏葉の連絡先と一緒にそう送った。
すぐに既読の文字がつき、【りょーかい！サンキューな！】と、愉快な文章が送られてきた。
この2人がくっつく日はくるのかしら、と、ほんのちょっぴり期待に胸をふくらませた。
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