⋯そんなふうに言われたら、なにも反論できないじゃない。
お互い黙ってしまい、沈黙な空気が流れる中、スマホの着信音が鳴り響いた。
わたしのスマホじゃないってことは、
「優絆? 携帯鳴ってるわよ?」
「ん⋯だれ?」
見てもいいのかしら。
ディスプレイに表示された名前は、
「岩波くんからよ」
「和紗かよ。いいところなのに邪魔すんなよな」
優絆がよくいっしょにいる、岩波和紗。
女の子のようにも思える名前なのだけれど、実は男の子の名前で。
中学の頃は、よく優絆が岩波くんをからかって遊んでいた。
⋯ほんとうに性悪男よね。
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