これだけ綺麗な顔をしているんだもの。
女の子たちが放っておかないはず。
現に優絆を見て騒ぐ女の子はたくさんいる。
それなのに、どうしてわたしなの───?
「ほかの女じゃ意味ねーんだよ」
だからどうして?と、わたしは先程から問いかけているのだけれど⋯。
「秋妃彼氏いんの?」
⋯⋯っ、!
突拍子もない質問に、思わず面食らってしまった。
ど、うして⋯そんなことを、聞いてくるの⋯。
声にならない疑問が、心のなかをくすぶる。
いない、と素直に言うのもなんだか癪に感じたわたしは、否定の意を込め首を横にふった。
彼氏なんてできるわけないわ。
わたしはいまでもずっと、あなたを想っているのだから。
「ならべつにいいだろ」
ふ、とどこか安堵したようなやわらかな微笑みを咲かせた。
とても綺麗なその微笑みに、言わずもがな見惚れてしまい、
トクン⋯ッと胸が高鳴る。
