元カレの溺愛が止まらない




「なにしてんだよ」


優絆の首元に手を伸ばし、パーカーのフードを掴むと、そのまま引っぱって被せた。


わたしの突然の行動に、キョトンとした表情を浮かべる優絆は小首を傾げた。



だからその無意識の行動があざといのに⋯!


「ネコ耳付きのフード、よく似合ってるわよ?」


あまりのギャップにまだ見慣れないわたしは、思わずクスクス笑ってしまった。



恥ずかしくなったのか、今度は優絆がフイっと顔を逸らした。


逸らす瞬間見えた顔が、少し赤くなっているようにも見えた。


気のせい、よね⋯?



「優絆?」



突然押し黙ってしまった優絆の顔を覗き込もうと近づいたけれど、


「見んなよ」


と、押し返されてしまった。



「急にどうしたのよ。黙ったりしちゃって」

「なんでもねえよ」



優絆の態度にムッとなったわたしは、優絆の袖を掴んでこっち向くように引っぱる。