声が聞こえた方へ振り返ると当時に、ガバッと抱きついてきたのは中学の頃からの親友、草柳夏葉。
「おはよ!」
「ふふ、おはよう」
朝からとても元気ね。
夏葉と肩を並べて、学校まで歩いて向かう。
「あいかわらず朝からまぶしいわね。私も秋妃みたいに綺麗な顔立ちで生まれたかったな〜」
はあ⋯と朝から深いため息を吐く夏葉。
夏葉は綺麗系ではなく、かわいい系の顔立ち。
⋯わたしは夏葉みたいなかわいさは持ち合わせていないもの。
「わたしは夏葉が羨ましいわよ」
「はあ?私のどこが羨ましいっていうのっ」
よかれと思って言っただけなのに「いい眼科紹介してあげようか?」と、
わたしにガン飛ばしてくる始末。
そこまで否定しなくてもいいのに。
かわいい顔が台無しね⋯。
「でも、儚げな女子って守りたくなるじゃん?」
「⋯儚げ?」
「うん。もともとの顔立ちもそうだけど、そのほどこされているメイクがマッチしてて、秋妃は余計そういうふうに見えるのかもね!」
