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保健室での一件から数日が経った。



『じゃあまた連絡する。そんときは相手して』


そう言っていたのに。




全然連絡くれないじゃない⋯。


学校で顔を合わせているのに、音沙汰がまったくないなんて⋯。






でも、あれから明らかに変わったことが一つあるの。



それは⋯、



「⋯⋯よう」



あいかわらずネコ耳付きのパーカーを着ている彼が、挨拶をしてくれるようになったこと。




「おはよう」


「⋯はよ。いっしょに上がろうぜ」


「え、ええ⋯」



戸惑ったけれど、ふわっと優絆にむかって微笑むと、一瞬目を見開かれふいっと顔をそらされた。



そんなに拒否しなくてもいいじゃない⋯。

自分から誘っておいて、それは傷つくわ。




ハア⋯と内心でため息をつき、優絆と肩をならべて教室に上がった。





教室に入り優絆と別れ自席にむかうと、



「最上くんと教室まで一緒にきたの?! いつのまに仲戻ったの?!」



疑問符をいくつも浮かべた夏葉が、矢継ぎに質問を飛ばしてくる。