カプっと、って⋯
理由になってないじゃない⋯。
「お前今日照れすぎ。何回赤くなるんだよ」
ケラケラ笑って楽しんでくる彼は「オマケに心臓も早えし」とわたしをイジメてくる。
その笑顔でまたドキドキしてしまうのよっ!
本当にズルいわ。
無意識にわたしのことを弄んでくるんですもの⋯。
「あ。そうだ」
スッとカラダを離されて、わたしの顔を覗き込んでくる。
「なに?」
「お前、連絡先変えたりした?」
優絆の問いかけに「ううん」と首を横に振った。
「じゃあまた連絡する。そんときは相手して」
その言葉は、ずっと繋がっていたのに動くことのなかった、彼の連絡先がふたたび動きだす合図だった───。
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