明るいミルクティーベージュの背中まで伸びる髪を綺麗に巻いて、髪はいつも結ばずに下ろしてるから、整えたら完了。
高校生になってからは、ずっとこのスタイル。
少しでも大人っぽくなれたらいいな。
そんな想いを込めて、毎朝メイクをしている。
桜色のストーンがついた、桜のモチーフのチェーンネックレスを付ける。
第二ボタンまで外したカッターシャツの間から覗く、桜がとてもカワイイ。
「あ、そろそろ出なきゃ遅刻しちゃうわ」
スクールバッグを持って部屋を出た。
ローファーを履いて外へ出ると、春の暖かな風が、ふわっとわたしの髪をなびかせた。
わあ⋯とても気持ちいい風ね。
心地がいいわ。
なびく髪を抑えて青い空にたなびく雲を見ながら、学校までの道のりを歩く。
「秋妃ー!」
学校に近づいてきた頃、聞き慣れた声に名を呼ばれた。
宮里秋妃、
それがわたしの名前。
