暖かい日差しに、開け放たれた窓から舞い込んでくるそよ風。
わたしの眠気を増させるのにはじゅうぶんで⋯。
「秋妃」
「んっ⋯?」
まどろみのなかで、わたしを呼ぶ優しげな声が聞こえる。
誰──⋯?
誰の声なの⋯?
でも、とても心地がいい。
「寝るの?」
「んー⋯」
もう返事をするのもままならなくて。
頭をなでられているような優しい手つきに、さらに眠気が襲ってくる。
手に触れた柔らかな感触を、思わずぎゅう⋯っとつかんだ。
「ふ⋯⋯おやすみ、秋妃」
その声が聞こえると、わたしは意識を手放した。
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