「ちょ、ま⋯待って優絆っ!」
恥ずかしくてぎゅっと目をつむると「ふーん」と短い声が聞こえた。
え⋯と目を開けると。
妖艶を漂わせ一瞬ニヤッと笑みを浮かべたかと思うと、
「やっと優絆って呼んだな」
ふっと目元を和ませ、優しく笑まれる。
儚さも感じさせる優しげな微笑みは、わたしの顔を赤くさせるにはじゅうぶんすぎだった。
トクンッと胸の鼓動も高鳴りだし、カラダが熱を持ちはじめる。
さっきからコロコロ変わる表情に、わたしはパンク寸前⋯。
まったく、罪深い男ね。
「もう離れなさいよっ、このドスケベっ!」
いつまで乗ってるのよっ!
バシっと優絆の腕をおもいっきりたたいて離れるよううながすと、
「いて⋯⋯⋯スケベじゃなくて、健全のまちがいだろ」
