⋯黒のパーカーはまだいいと思うの。
ただ、ただよ⋯?
そのフードについているものは⋯なに?
ネコの耳のように見えるのはわたしだけなのかしら⋯。
そこがまたいい味をだしているのか、とてつもなくかわいい⋯!
こういうのを〝ギャップ萌え〟って言うのよね?
「⋯なに見てんだよ」
じっと見つめすぎたせいか、クルっとこちらを振り向いた。
「なんだか女の子みたいね。かわいいわ」
思わずクスクス笑うと、優絆はイヤそうに顔を顰めた。
あら⋯気に障ったかしら。
「⋯⋯かわいい、ね」
顔を顰めたのもつかの間、
妖艶な瞳でわたしを見る彼は、どこかキケンな香りを漂わせていた。
───あ、ヤバい⋯!
と、思った時すでに遅し。
