✽
.
。
「ベッドに上がって、痛めた方の足立てて」
と、言われた通りにしたけど、どうしましょう⋯。
この体勢だと、スカートがまくれてしまうわ。
スカートで必死に隠すけど、スカートの丈が短くギリギリで。
一人で「んー」とソワソワしていると、
「あ⋯⋯」
それに気づいた彼は、まわりに視線をすべらせると「これでも使え」と、その辺にあった大きめのタオルを持ってきてくれた。
「少しは隠れるだろ」
「え、ええ⋯ありがとう⋯」
付き合ってた頃の優しさは、いまも変わらず健在なのね。
さりげない気づかいが、とても嬉しい。
わたしが彼の手を離さなければ、いまも関係は続いていたのかしら⋯。
「足首だよな?痛めたの」
湿布とガーゼを持ってきた彼もベッドに座ると、わたしの足首にそっと触れた。
「確認するから、痛むとこ教えて」
優しく足首を触りながら、チラチラとわたしを見てくる。
触れられたところに痛みが走り「⋯っ」と思わず顔を歪めた。
「やっぱ痛むよな⋯ごめん」
