「わたしお手洗いに行ってくるから、先に行っててくれるかしら?」
「わかった! 裏庭にいるから待ってるね!」
「ええ、分かったわ」
わたしは教室で三人と分かれて、ひとりお手洗いに向かった。
岩波くんと夏葉、なんだか良い雰囲気っぽいわね。
くっつくのも時間の問題かしら、なんて。
そんな事を脳裏に思いながら、手を洗いハンカチで手を拭いていると、
「──宮里さん」
クラスメイトの䈎元さんが、腕を組み恐ろしい表情を浮かべて、わたしを睨みつけていた。
「な、なにかしら?」
スーパーでの出来事があるから、なんだか気まずいわ。
でもそれはわたしが勝手に思っていることであって、䈎元さんを避けるのもおかしな話よね。
「⋯⋯⋯」
わたしのかけた言葉を無視して無言を貫く䈎元さんは、未だに鋭い瞳を向けてくる。
