元カレの溺愛が止まらない




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週明けの月曜日。



「夏葉ちゃん! 秋妃ちゃん!」



4限目が終わったお昼休み。


昼食を食べようと夏葉と準備をしているところに、岩波くんと優絆が近づいてきた。



「二人ともどうしたの?」



キョトンとするわたしと夏葉を見るなり、ニヤッと笑う岩波くん。



「よかったらいっしょに───」


「和紗が草柳と一緒にメシ食いてーんだとよ」



しれっと横から言い放った優絆は、たいして気に留める様子もなく、ボケっとしていた。



「はっ!? おま、変な言い方すんなよ!」



優絆の放った言葉にひどく動揺した岩波くんは、タジタジになり、言葉もはちゃめちゃ。


おまけに耳まで赤く染めていた。



「なんだよ、事実だろ? 隠すなよ」



側から見たらいつもと変わらない表情に見えるかもしれないけれど、わたしには分かるわ。


僅かだけれど表情が緩んでいることに。


岩波くんを面白がってからかう特有の表情だって。



「だからって言い方っつーもんがあんだろ」


「どう言ったって意味は同じだろ」


「お前なあ⋯」



ハアと深いため息をついてうなだれた岩波くんを見て、優絆はケラララ笑っていた。


本当に仲良いわね、この二人は。


二人を見て思わずクスクスと笑ってしまった。



「⋯⋯⋯」



チラッと夏葉を見やると、恥ずかしそうにほんのりと頬を染めていた。


───だからわたしは気がつかなかった。


鋭い瞳でこちらを見ている存在に───。