「おばさん、今日も遅くなるって?」
「ええ、そうみたい」
「そっかあ⋯、断念だな〜おばさんに久しぶりに会えると思ったのに」
「ごめんね夏葉」
「気にしないでいいって! また会えると思うし、それまでのお楽しみってことで!」
ありがとう、夏葉。
ポジティブ思考の夏葉を見てると、いつだって笑顔になれる気がするわ。
それからご飯を食べ終わり、あっという間に時間が過ぎた。
みんなが帰る時間になり、玄関先まで来たとき、
「あ、優絆」
「なんだよ?」
「──────」
岩波くんが優絆になにか耳打ちすると、ハッとした表情でわたしを見た優絆。
岩波くんも瞳だけをこちらによこし、二人に見つめられる。
⋯⋯どうしたのかしら?
「なに? 二人ともどうしたの?」
「いや、なんでもねえ。サンキューな和紗」
「いやいや。そのかわり、今度こそちゃんと護ってやれよ!」
「ああ、言われなくても」
よく分からない会話をしながらわたしを見てくる二人に、疑問符がいくつも浮かぶ。
優絆は少し難しい表情を浮かべて、視線を落としていた。
わたしはそんな優絆の表情に、なんだか引っかかりを覚えた。
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