わたしはすぐに【了解】と返信して、スマホを制服ジャケットのポケットにしまった。





「そういえばさ、秋妃」


「ん?」


「そのネックレス、外さないの?」


「えっ?」





夏葉が指さしたのは、わたしの首からキラッと覗く桜のネックレス。





「だってそれ、元カレくんから貰った物でしょ?外さないの?」


「そ、れは⋯」




桜を握りしめ言葉につまっていると、夏葉がニヤニヤし始めた。




「な、なによ⋯」


夏葉のニヤつきように、思わず顔が引きつってしまう。




「やっぱまだ好きなんでしょ〜?元カレくんのこと!」



的確に的をついてくる夏葉から、視線を逸らすことしかできなかった。


情けないわ⋯。





「元カレくん、カッコいいもんね〜!ヤンチャしてそうなのに紳士的なところとかさ!」





わたしの気持ちを知りながらそう聞いてくる夏葉は本当にタチが悪いと思うわ。


いまだニヤついている夏葉は、視線をわたしの元カレである彼に移した。