「⋯⋯⋯」
本人が気づいていないのも、いかがなものかと⋯。
どうして他の人が気づいているのに、本人は気づかないのよ⋯。
鈍感にもほどがあるわ。
でも、それはそれでよかったのかしら。
わたしには、彼の隣に立つ資格なんて、ないもの⋯。
「あ、秋妃ちゃん! ここで長話してるとまたガキンチョ優絆が顔出しそうだし、部屋に入ろうか。 荷物重いし、運んだら俺帰るよ」
空気を変えようとしてくれたのか、あわてた様子で話題を変えてくれた岩波くん。
それではここまでパシリに使っただけになってしまうじゃない⋯。
「よかったら夕飯食べて行って? せっかくだし夏葉も呼んで、みんなでどうかしら?」
ご飯はみんなで食べるほうが美味しいもの。
