「なにをそんなに拗ねてるのよ?」
優絆がそこまで独占欲を見せてくれることが、本当はちょっと嬉しかったり。
「はあ? 別に拗ねてねえよ!」
「拗ねてるでしょう? 少しは岩波くんを見習ったらどうなの?」
「うるせえな! 拗ねてねえって言ってんだろ」
プンスカ怒りながら、部屋の中へと消えた優絆。
⋯⋯機嫌悪くても帰る気はまったく無いのね。
本当に幼い子供みたいなんだから。
そんなわたし達のやりとりを見ていた岩波くんはケラケラと面白可笑しく笑っていた。
「アハハ、ホントに優絆と仲良いいね」
笑いすぎて涙目になっていた岩波くんは涙をくいっと拭った。
「仲良いのかしらね? ここまでくると仲良いのかも分からなくなってくるわ」
「いやいや、仲良いでしょ! 優絆がアレだけ悪態つくなんてね〜! 秋妃ちゃんといるとガキっぽさ全開だもんな〜」
今も昔もガキっぽさしかない気も⋯。
岩波くんの言葉に、う〜ん、と悩んでしまう。
