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「秋妃おかえ───」
「おっす優絆！」
家に入るなり、わたしより先に優絆に声をかけた岩波くん。
「あ？ なんで和紗と秋妃がいっしょに帰ってくんだよ」
穏やかな表情はどこへやら、岩波くんの姿を捉えるなり顰めっ面に様変わりした優絆。
どうしてそんなに嫌がるのよ。
嫌な態度をとられても一切顔色を変えない岩波くんのほうが大人だわ。
優絆も少しは見習ってほしいものね。
「さっきたまたまスーパーで会ったから、そのまま送ってきたんだよ」
女の子ひとりじゃ物騒だろ？と、ニカっと笑った。
「ありがとう、岩波くん。 とても助かったわ」
そんな岩波くんに笑顔でお礼を言うと、背後からボソッと呟かれた言葉。
「草柳に言いつけるぞ。 浮気者ヤロウ」
ブラックオーラを纏いながら、じとーっと睨みを効かせる優絆はまるで幼子のようで⋯。
