「お名前は?」

「花村です」

女の子は心地の良い、桜を連想させるような声をしていた。

「今日はどこを治療しにきましたか?」

「…腰と膝が痛くて」

「少し押してみるので、ベットにうつ伏せになってください。」

女の子は素直にベットにうつ伏せになった。

グッ

「っん」

ドクン。僕の心臓が鳴る。なぜだ?

「痛い?」

「…はい」

彼女の声一音一音が心地いい。僕はどうかしてしまったのだろうか。

「ここは?」

「っ、痛い」

結構広範囲で痛めているようだった。

「じゃあ、リハビリの手順を説明しながら実践するので、これを覚えて家でもやってみてね」

「わかりました」