打ち所がないような女子だった。光希は周りに集まる奴らの中心となって話している俺の住む世界とはまったく違う人だと思っている。           (…関わることはないんだろうな)  そんな事を思い、光希から目を逸らしたからなのか、光希がこっちを見ていた事に気づくことが出来なかった。    午前の授業が終わり、教室内が騒がしくなり始める。俺は売店で何か買おうと財布を取り出す…が何故か鞄の中に財布が無かった。勘違いかと願い鞄の中を必死にまさぐるも財布は出てこなかった。