男性の言葉に紫乃はキョトンと首を傾げる。捧げる、その言葉の意味すら最初は忘れてしまっていた。だが、目の前に並べられた食事を見ていると顔が真っ青になっていく。お膳に乗って出されている米や野菜、そして魚やたくさんなどは全て、神様に捧げるための箱に入れられていたものだ。
(どうしよう……神様に捧げるものを口にしてしまった……!)
巫女役の人間が一番犯してはならないことだ。村長たちにバレてしまったら、折檻どころの話では済まない。ガタガタと体が震え出す。そんな中、男性は笑いながら口を開く。
「そんなに震えないでおくれ。私の名はサルタヒコノカミ。君が捧げ物を渡す相手だよ。私が振る舞ったものなら食べても問題はないだろう?」
「やっぱりあなたは神様だったんですね……」
見た目から人ではないとわかるため、それほど紫乃は驚きはしなかった。逆に、たまたま自分を見つけて連れて来てくれたのがこの神様でよかったと安堵してしまう。
(もしも出会ったのが山賊だったら大変なことになってたな)
(どうしよう……神様に捧げるものを口にしてしまった……!)
巫女役の人間が一番犯してはならないことだ。村長たちにバレてしまったら、折檻どころの話では済まない。ガタガタと体が震え出す。そんな中、男性は笑いながら口を開く。
「そんなに震えないでおくれ。私の名はサルタヒコノカミ。君が捧げ物を渡す相手だよ。私が振る舞ったものなら食べても問題はないだろう?」
「やっぱりあなたは神様だったんですね……」
見た目から人ではないとわかるため、それほど紫乃は驚きはしなかった。逆に、たまたま自分を見つけて連れて来てくれたのがこの神様でよかったと安堵してしまう。
(もしも出会ったのが山賊だったら大変なことになってたな)

