露とは幼稚園から高校に通う現在まで、何をするにしても、ずっと一緒だった。

露の誕生日会は、彼女が喜びそうな趣向を沙耶と二人で出し合ったり、三人で部屋をキラキラに飾りつけたりしてパーティーを開いた。

遠足やら社会科見学なんかの学校の行事でも、なるべく班や行動は一緒にして、どこへ行くにしてもあまり離れることはなかった。

障害があったとすれば、中学の三年間は露とクラスが別々になったこと。

そのかわり沙耶が、ずっと露と同じクラスでいてくれた。

そんな生活が小学校…中学校と長く続いていくうちに俺の中では、露や沙耶がそばにいる生活が少しずつ当たり前になってきた。

隣には露がいて。

そして、沙耶がいる。

それが俺にとって、普通の世界だった。

中学になった俺は、露ともっと一緒にいられないだろうか…という、自分の正直な気持ちにふと気がついた。

そしてその気持ちの正体が他でもない「露のことが好きだ」ということも、思いのほか簡単に受け入れることができた。

しかし、その「好きな気持ち」というのが少し複雑というかなんていうか…説明するのが難しい。

「好き」な気持ちが半分…という言い方が正しいのかはわからない。

つまり、露と一緒にいたい理由が「好き」だけではなく、あともう一つ存在するということ。