停車していた車の後ろに一台の車が止まった。誰かが降りて来て、駿の車へと近付いた。
暗くてはっきりと顔は見えないが、ぼんやりと見える背格好と服装が美奈だった。
「ひより、ひよりっ!」
私は咄嗟に車から降りて、直ぐに美奈に駆け寄る。誰も通らない夜道で、美奈も私をギュウッて強く抱きしめてくれる。
「美奈、迎えに来てくれたの?」
花火に遅れたので自家用車で来たさっちゃんが駿の車を追いかけてくれたんだ。私は目に涙を浮かべて美奈にしがみつく。
「あははっ、見つけられちゃったね。今日の所は帰るね」
駿が笑いながら降りて来た。
駿は自分のした事に対して、反省も何も無しな訳?
本当に最低な奴だ。
「ひよりには響君が居るんですっ! だから、もう近寄らないでっ!」
美奈は私を背後に隠して、駿に強く言った。……つもりだった。
「うん、知ってるよ。でも、欲しい物は取り返す事にしたから。引き下がらないよ?」
反省の色も無く、クスクスと笑いながら諦めないと宣言してきた。
もう、嫌だ。
駿に誰が何を言っても、効き目がなさそうだ。
響はどうしたのだろう?
さっちゃんの車に目をやると、湊君とさっちゃんと共に外に出て居るけれど、響は車に寄り掛かかって見ようとしていない。
私の事が本当に好きなら、連れ去られたぐらいで引き下がらないで欲しい。
早く響の元へ帰りたい。
駿が何を考えてるのかよく分からないけど、凄く好きだった人に、『引き下がらない』と言われたら、どんなに傷つけられた過去があったとしても気持ちは揺らぐかもしれない。
心のどこかで手に入れられなかった気持ちを今度こそは手に入れられると勘違いするかもしれない。
だから駿の事が憎いと思っている内に、響に私の事を捕まえていて欲しい。
もう二度と駿に振り回されないように、私は響だけを好きになりたい。
暗くてはっきりと顔は見えないが、ぼんやりと見える背格好と服装が美奈だった。
「ひより、ひよりっ!」
私は咄嗟に車から降りて、直ぐに美奈に駆け寄る。誰も通らない夜道で、美奈も私をギュウッて強く抱きしめてくれる。
「美奈、迎えに来てくれたの?」
花火に遅れたので自家用車で来たさっちゃんが駿の車を追いかけてくれたんだ。私は目に涙を浮かべて美奈にしがみつく。
「あははっ、見つけられちゃったね。今日の所は帰るね」
駿が笑いながら降りて来た。
駿は自分のした事に対して、反省も何も無しな訳?
本当に最低な奴だ。
「ひよりには響君が居るんですっ! だから、もう近寄らないでっ!」
美奈は私を背後に隠して、駿に強く言った。……つもりだった。
「うん、知ってるよ。でも、欲しい物は取り返す事にしたから。引き下がらないよ?」
反省の色も無く、クスクスと笑いながら諦めないと宣言してきた。
もう、嫌だ。
駿に誰が何を言っても、効き目がなさそうだ。
響はどうしたのだろう?
さっちゃんの車に目をやると、湊君とさっちゃんと共に外に出て居るけれど、響は車に寄り掛かかって見ようとしていない。
私の事が本当に好きなら、連れ去られたぐらいで引き下がらないで欲しい。
早く響の元へ帰りたい。
駿が何を考えてるのかよく分からないけど、凄く好きだった人に、『引き下がらない』と言われたら、どんなに傷つけられた過去があったとしても気持ちは揺らぐかもしれない。
心のどこかで手に入れられなかった気持ちを今度こそは手に入れられると勘違いするかもしれない。
だから駿の事が憎いと思っている内に、響に私の事を捕まえていて欲しい。
もう二度と駿に振り回されないように、私は響だけを好きになりたい。



