「シュン、相変わらず、しつこいよな」
「んー? でも、駿の心に私は居ないよ。千夏さんを見る優しい目とか、悔しいけど、私にはなかったから」
私は頭の上のライスシャワーを取り、響にお返しにポンッと投げた。
「あ、そっ。なぁ、教会入って見る?」
投げられたライスシャワーを響は掌でキャッチして、教会へ足を向ける。
普段は鍵が締まっている為に、特別な日にしか出入り出来ない教会。
私はグラスを片付けなきゃいけないし、仕事に戻らなきゃいけないんだけれど、目の前の誘惑に勝つ事が出来なかった。
響と二人、他の従業員の目を盗んで、入り込む教会。
タキシード姿の響に魅せられて、心臓を高鳴らせながら着いて行く。
夏に出会ってから半年ちょっと。
短い間に色んな事があったね。
響に恋に落ちたのも、思えば一瞬の出来事だったのかもしれない。
「ひより、ここに立って。目をつぶって」
「え? ……うん」
響が立ち止まったのは、新郎新婦が誓い捧げる教壇の前。
ドキドキしながらも目を閉じると、首元にヒンヤリとした冷たい感触を覚えた。
「響……?」
「まだ閉じてて」
首の後ろには響の手の温もり。金具を留めているような気がする。
あぁ、これはネックレスかも?
目を閉じたまま、首につけられた物の感触を確かめる為に手を伸ばすと唇には柔らかい感触がした。
響が私から離れると目を開けた。
「湊が美奈ちゃんに買ったから、ひよりにも。美奈ちゃんとお揃い」
「あ、えと、……ありがとう」
驚き過ぎて私は口ごもった上に、目を丸くして響に笑われる。
「ははっ、そんなに驚く事かよ? 間抜けな顔してるっ」
「うーっ! また意地悪言ってる!」
「なくすなよ、美奈ちゃんとお揃いなんだから」
「分かってる!」
意地悪ばかりの裏には、優しさも沢山詰まっている。
憎たらしいのに大好きで、心臓の鼓動が落ち着かない位に私を魅了し続けてる。
もう逃れられない程にもっと……。
「いつか、ココにも頂戴ねっ」
「ああ……」
私は左手の薬指を響にアピールする。そう遠くないと思いたい、薬指の指輪の約束。
将来の幸せな約束にもう一度、誓いのキスを――
もっと、もっと、
虜にさせてみて?
◆END◆
「んー? でも、駿の心に私は居ないよ。千夏さんを見る優しい目とか、悔しいけど、私にはなかったから」
私は頭の上のライスシャワーを取り、響にお返しにポンッと投げた。
「あ、そっ。なぁ、教会入って見る?」
投げられたライスシャワーを響は掌でキャッチして、教会へ足を向ける。
普段は鍵が締まっている為に、特別な日にしか出入り出来ない教会。
私はグラスを片付けなきゃいけないし、仕事に戻らなきゃいけないんだけれど、目の前の誘惑に勝つ事が出来なかった。
響と二人、他の従業員の目を盗んで、入り込む教会。
タキシード姿の響に魅せられて、心臓を高鳴らせながら着いて行く。
夏に出会ってから半年ちょっと。
短い間に色んな事があったね。
響に恋に落ちたのも、思えば一瞬の出来事だったのかもしれない。
「ひより、ここに立って。目をつぶって」
「え? ……うん」
響が立ち止まったのは、新郎新婦が誓い捧げる教壇の前。
ドキドキしながらも目を閉じると、首元にヒンヤリとした冷たい感触を覚えた。
「響……?」
「まだ閉じてて」
首の後ろには響の手の温もり。金具を留めているような気がする。
あぁ、これはネックレスかも?
目を閉じたまま、首につけられた物の感触を確かめる為に手を伸ばすと唇には柔らかい感触がした。
響が私から離れると目を開けた。
「湊が美奈ちゃんに買ったから、ひよりにも。美奈ちゃんとお揃い」
「あ、えと、……ありがとう」
驚き過ぎて私は口ごもった上に、目を丸くして響に笑われる。
「ははっ、そんなに驚く事かよ? 間抜けな顔してるっ」
「うーっ! また意地悪言ってる!」
「なくすなよ、美奈ちゃんとお揃いなんだから」
「分かってる!」
意地悪ばかりの裏には、優しさも沢山詰まっている。
憎たらしいのに大好きで、心臓の鼓動が落ち着かない位に私を魅了し続けてる。
もう逃れられない程にもっと……。
「いつか、ココにも頂戴ねっ」
「ああ……」
私は左手の薬指を響にアピールする。そう遠くないと思いたい、薬指の指輪の約束。
将来の幸せな約束にもう一度、誓いのキスを――
もっと、もっと、
虜にさせてみて?
◆END◆



