月下の君には秘密です。



「……紗季、ごめんなッ…?」

「ん~?何が?」


「…俺、多分これからもずっと井上の事が好きなままで、…ずっとあの二人を大事なままなんだと思うんだ…。」


俺は下を向いて、
紗季の顔を見れなかった。

いつも明るい紗季を、
泣かしてしまうかもしれない。

俺がしている辛い思いを、紗季にもさせるんだと思ったら…
本当に申し訳なくて、また涙が出てきた…。


「…うん、そうだと思う。でも、それでこそアッキーってかんじだし。そんなアッキーがアタシは好きだし?」

「……?」

「…アッキーが井上さんを好きなままでも、アタシはアッキーを好きなままだよ?」

「……へ?」

紗季は泣くどころか、
明るく笑っていた。



「…ん~と、そうだなぁ。例えば、…オリオン座の3つの星はさぁ~…」

紗季は『見て』と、
夜空を指差して…


「ここから見たら見えにくいだけで、アッキーの星のすぐ下に小さな小さな星があるかもしれないじゃん!?」


そう言って笑った。


「あの3つの星は絶対だけど、アッキーの星の超近くに…もう1個、星があるかもしれないじゃん?」

紗季は、そう言いながら…
自分の顔を指差した。