一人は色素の薄い黄色の髪の毛に、紫色の瞳、頭に大きな角を生やしたアイドル顔のイケメンだ。西洋と中華を足して二で割ったような、白と金を基調にした洋服を身に纏っている。顔立ちもどことなく中性的だ。
もう一人は鮮やかな紅の髪をポニーテールに纏めていて、身体の線は細めだけど男性的な整った顔立ちをしている。黒と紅を基調とした軍服っぽい服を着ていて、背中に極彩色の羽を生やした、少し強面の男性だった。
「あれ? ニコラス様はいつの間にアイリス様の後にいらっしゃったんですか?」
ロイはブンブン尻尾を振りつつ、大きく首を傾げる。
「ふふ、まだまだ修行が足りないねぇ、ロイ。このぐらいの魔法はすぐに暴けるようにならなきゃ。リアンは君を甘やかしすぎだよ」
ニコラスと呼ばれた男性はそう言って魅惑的な笑みを浮かべる。と、思った瞬間、わたしはこの人に後から抱き締められた挙句、グリグリと頬擦りをされていた。
「やっ! やめて下さいっ!」
身の毛がよだつのを感じながら、わたしは叫ぶ。力いっぱい藻掻き、ニコラスの腕から逃れようとするのに、彼はちっともわたしを放してくれない。ロイは困ったように首を傾げながら、ニコラスの足をポスポスと撫でた。
「ニコラス様、ダメですよ! アイリス様が嫌がってます!」
「えぇ? そんなことないよ。僕を嫌がる女の子なんてこの世に一人もいないんだからさ」
何それ!その自信、一体どこから湧いてくるの!?
悪びれることなくそんなことを宣うニコラスに、わたしは首を横に振る。
「ここにいますっ! さっきから嫌って言ってます!」
同じイケメンでも、旦那様とは正反対。あまりにも軟派なこの男に、沸々と怒りが湧き上がる。
もう一人は鮮やかな紅の髪をポニーテールに纏めていて、身体の線は細めだけど男性的な整った顔立ちをしている。黒と紅を基調とした軍服っぽい服を着ていて、背中に極彩色の羽を生やした、少し強面の男性だった。
「あれ? ニコラス様はいつの間にアイリス様の後にいらっしゃったんですか?」
ロイはブンブン尻尾を振りつつ、大きく首を傾げる。
「ふふ、まだまだ修行が足りないねぇ、ロイ。このぐらいの魔法はすぐに暴けるようにならなきゃ。リアンは君を甘やかしすぎだよ」
ニコラスと呼ばれた男性はそう言って魅惑的な笑みを浮かべる。と、思った瞬間、わたしはこの人に後から抱き締められた挙句、グリグリと頬擦りをされていた。
「やっ! やめて下さいっ!」
身の毛がよだつのを感じながら、わたしは叫ぶ。力いっぱい藻掻き、ニコラスの腕から逃れようとするのに、彼はちっともわたしを放してくれない。ロイは困ったように首を傾げながら、ニコラスの足をポスポスと撫でた。
「ニコラス様、ダメですよ! アイリス様が嫌がってます!」
「えぇ? そんなことないよ。僕を嫌がる女の子なんてこの世に一人もいないんだからさ」
何それ!その自信、一体どこから湧いてくるの!?
悪びれることなくそんなことを宣うニコラスに、わたしは首を横に振る。
「ここにいますっ! さっきから嫌って言ってます!」
同じイケメンでも、旦那様とは正反対。あまりにも軟派なこの男に、沸々と怒りが湧き上がる。



