(きゃーーーーーーーー!)


 叫びながら、その辺を走り回りたい気分だった。
 天国から地獄ってきっとこういう気分だ。良かった、嫌われてなんか無かった!そう思うと心が熱くて堪らなくなる。
 旦那様がわたしのことを撫でてくれて、可愛いって言ってくれて!ここ最近のわたしはすごい。前世で非業の死でも遂げたのだろうかって思うぐらい、甘やかされてる。


「嬉しいですっ! ありがとうございます! 旦那様のために、一生懸命準備しました」


 満面の笑みを浮かべながら、旦那様を真っ直ぐに見上げる。本当はギュッて飛びつきたかったけど、そこはさすがに我慢した。クルッて回って見せたら、旦那様は眩しそうに目を細めて、頭をゆっくり撫でてくれる。


「アイリスは白が良く似合うね」


 旦那様の言葉にわたしは微笑む。
 わたしが選んだのは、真っ白な布地にレースが可愛らしいドレスだった。
 前世で初めて旦那様とデートしたときに着ていた服とよく似ている一着で、その時は『まるで花嫁さんみたいだね』って、旦那様に言われたくて一生懸命選んだ。