「わたしが旦那様にとってどれだけ大事な存在か、ちゃんと分かっているつもりです。だからこそ、わたしは今、ここで誓います。
わたしは絶対、死んでも旦那様の側に居ます。生まれ変わっても、絶対また旦那様のお嫁さんになります! 
だから、旦那様も誓ってください。わたしを信じて! わたしが旦那様を幸せにするから、どうか最後まで生き抜いてください! わたしを、あなたの妻にしてください!」


 その瞬間、旦那様の唇がわたしの唇と重なった。
 温かくて愛情に満ちた口付け。決して悲痛や口を塞ぐためのものじゃない。


「誓うよ――――」


 旦那様は泣いていた。わたしを抱き締めて、縋るようにして泣く。
 そんな旦那様を、わたしは力強く抱き締める。


「誓う。俺も――――絶対にアイリスを幸せにするから」


 今よりずっと――――そう旦那様が口にする。
「はい!」と答えて、わたしは満面の笑みを浮かべた。