俺達は、プロポーズから数か月後――俺達が付き合い始めた日――に入籍することに決めた。
 本当は今すぐにでも籍を入れてしまいたかったけれど、両親や逢璃の友人たちへの報告も必要だ。


「実質、もう夫婦みたいなものだけどね」


 そう言って逢璃は嬉しそうに笑う。


「だって、もう二年前から同棲してるし、そもそもわたしは高校入学して以降、きずな君のことしか見えてないし。将来を共にするのはきずな君しかいないって、ずっと思ってたもん」


 二人で手を繋いで歩きながら、俺達は桜並木を眺める。ただ買い物に出掛けるだけでも、逢璃と一緒ならば特別な時間になる。「そうだね」って答えながら、俺も笑った。