(良いな、こういうの)


 胸がほっこりと温かい。家でも感じたことのない心地よさが、俺を包んでいた。

 もしも逢璃と結婚したら――――気づけば俺は、そんなことばかり考えている。
 ついこの間付き合い始めたばかりなのに。まだ高校生なのに。それでも俺は、逢璃にずっと、側に居てほしいと思っていた。


(逢璃はどう思っているんだろう?)


 さすがに俺みたいに飛躍した考えは持っていないだろうか。
 けれど、ゆっくりでも良い。同じになれば良いと、そう思う。


「もっと沢山食べて良い?」

「もっちろん! きずな君に食べてもらえるの、すっごく嬉しい」


 逢璃はそう言って満面の笑みを浮かべた。