「本当に? 生まれ変わっても、わたしと一緒に居たいって思ってくれる?」

「当然だろう? 逢璃のいない世界なんて耐えられない。だから俺は、生まれ変わっても絶対、絶対に逢璃を探す。もう一度、逢璃に俺を好きになって欲しい。逢璃を俺のものにしたい。逢璃が毎日笑顔で、幸せだって思ってもらえるように頑張るから」


 きずな君はそう言って、わたしのことを優しく撫でる。

 今ここにいるきずな君は、わたしの記憶が写し出した幻影、『夢』なんだと思う。
 だけどそれでも、これはきずな君の本心だと思った。そう信じたいって強く思った。
 涙でぐちゃぐちゃになったわたしの顔を拭いながら、きずな君――――旦那様が優しく口づける。抱き締めあった身体が、とても温かった。


「逢璃――――俺はいつも、君に先を越されてばかりだ。だけど本当は、凄くせっかちな男なんだよ」

(先を越される?)


 わたしに告白されたことを言っているんだろうか。そっと首を傾げれば、きずな君は悲し気に眉を寄せる。


「だから今、逢璃の隣に生まれ変わった俺がいるなら、それは、逢璃に少しでも早く会いたくて、待ちきれなかったんだと思う」


 真剣な眼差し。きずな君の言葉に涙が止まらなかった。


(そうなのかなぁ)


 旦那様は、わたしに会いたいって想ってくれていたんだろうか。だからまた、出会うことができたんだろうか。
 ついこの間までのわたしなら『自分の願望』としか思えなかった。だけど、今は違う。他でもないきずな君の言葉だから。信じたいと強く思った。