高校生の時のきずな君はよく『俺が頑張るのは逢璃のため』だって言ってくれて。当時はそれが何故なのか分からなくて、だけど嬉しいって思っていた。

 今になって考えると、きずな君はこの頃からずっと、わたしと生きる未来を見据えてくれていたんだと思う。


「好き。きずな君、大好き!」


 わたしの身体に収まり切れない程大きな『好き』って感情。今のわたしはそれを押さえる必要なんてない。全部余すことなく伝えられるし、受け止めてもらえる。


「俺も――――逢璃が好きだよ」


 きずな君はそう言って、わたしの唇に口づける。
 言葉で、その行動の全てで、きずな君はわたしに想いを伝えてくれる。
 わたしはそれが、堪らなく嬉しかった。