僕はいつも黙って頷くだけだったけど、彼女の願い事いつも決まっていた。


「来年も一緒に過ごせますように」


たったそれだけだった。


そんなのはお願いしなくても僕の中では当たり前で、これからもずっと変らないものだと思っていたから。


だけど、それは僕のお願いでもあった。


『かなちゃんとずっと一緒に居られますように』


子供ながらになんて馬鹿なお願いなんだって思ったこともある。


それでも僕はずっと彼女のそばに居られるように、こっそりと彼女の落ちずに残った線香花火にお願いしていた。