線香花火



なのに、僕は嬉しくて仕方なかった。


「やっと…、僕に気づいたの?」


何度呼んでも届かなかった声がやっと彼女に届いた。


それだけでも嬉しいのに、欲張りな僕は彼女に触れたくなってしまった。


さすがにお願いしすぎると神様も怒るかもしれないよね。


だから、これで十分だ。


「かなちゃん」