線香花火



そのひも僕は彼女と一緒に歩いていた。


制服姿の彼女と僕。


下校中の出来事だった。


クラっと一瞬目の前が真っ暗になった。


「琉生、どうしたの?」


急に立ち止まる僕に彼女はそう声をかけた。


「ううん、何でもないよ」


最近は体調もよかったからなのか、僕はその時深くは考えなかった。


前の僕なら違っていたのかもしれないけど、一番は彼女に心配をかけたくなかった。