線香花火



それからも時間とはあっという間に過ぎて、僕と彼女は同じ高校に進学した。


彼女は年々きれいになっていって、大人びてた。


学校で何度も告白されているのを見てきたし、下駄箱に手紙が入っているのだって気づいてた。


だけど彼女は毎回断っていた。


こんなに綺麗で可愛い彼女なら選びたい放題だというのに、断る理由が僕にはわからなかった。


でも、その反面僕は彼女が断るたびに安心してしまっているんだ。


僕も彼女に特別な感情を抱いている一人なのだから。